Magic hour

日没後の数十分だけに訪れる、すべての物を柔らかく見せる幻想的な時間は、映画用語でマジック・アワーと呼ばれています。
代表的な作品は、ムチャクチャ若い頃のリチャード・ギアが出ている『天国の日々』です。全編だかほとんど全編だか忘れたけど、毎日毎日マジック・アワーだけを狙って撮ったらしい。その途方もない作業のおかげで、ものすごく美しい映像を見せてくれます。

この写真はマジック・アワーに撮ったものではありません。午後だったかな。雨雲がなければ、ほとんどマジック・アワーだなと思ったのです。だけど、地平線近くが明るすぎるのが変で素直に喜べない。同じ日の朝には、銭湯の煙突からドワっと黒い煙が出るのを見て、「あっ、元気に営業してる」と思ってうれしかったのに。

 

実は今日は怒ってもいるんです。何にかと言うと、支援物資を運びに行くと上っ面で言っておいて、野次馬根性や興味本位でわざわざ30kmとか50kmの所に行く人が多すぎることです。本人はマザー・テレサかナイチンゲールのつもりなんだろうけど、本当の目的は「自分が惨状を見ておきたい」だけ。これも我欲ですよ。たくさんの人が心意気だけで被災地に行ってますけど、被爆量チェックの検問とか除染とかが用意されてるとは思えないんです。

風に乗ってくるものや被災者が避難してくるのはもちろん受け入れます。庶民はできる限りの対策をしてがんばる。だけど、こういうオレオレな人たちはオレオレ心に基づいて動くだけで、自分が問題の物質を流通させてしまっているとは思わないんですよ。避難範囲の設定が甘いと言われているのに、わざわざ行ける所まで行き、Twitterで得意げに実況したいんだそうです。あのね、あなたは進んで汚染元になってるんです。家族、職場の人、電車で乗り合わせる人とかいい迷惑でしょ。

自分本意な善意は偽善です。広く広く広く、深く深く深く物事を考え、判断してから行動して欲しい。私は、今回に限っては一般人の支援は絶対に現地に行くことではないと思っています。正式な要請の元で行く人とは万が一の時の保険も裁判もまったく違うし、関係ない人々を巻き込むことになるからです。「居ても立ってもいられない。現地に行こう!」という単細胞の方は、まず居て立つことをまともにしてください。

私たちができることは他にあります。それに、11日以降はいつだって「明日は我が身」と思っています。

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I took this photo in the day, not during the magic hour. Beautiful but very strange. And today I was angry about the one who went to nuclear evacuation area just because of curiosity. It’s sad they forgot it will happen to them tomorrow. We have things we can and should do from here.

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