‘The September Issue’

特別なことは何もないドキュメンタリー。
『ザ・セプテンバー・イシュー ファッションが教えてくれること』という邦題もなんだかな。教えてもらおうという受け身の姿勢がまずおかしい。誰の視点なの?だって、プロフェッショナルたちがプロとして仕事をしているだけ。舞台がVogue社であること、9月の特大号制作期間に撮影していること、ファッション界のドンであるアナ・ウィンターを追っていることが特別なだけ。

ジャンバジュースの大きいサイズを飲んだりするし、スタッフはみんな普通の人。だけど、必要/不要のカットを一瞬で決める。文句や反対意見は作品の研磨。若い才能を育て、成功へのチャンスをつかんだら一緒に喜ぶ。くだらない妬みなんてない。プロなんです。女性誌だから女性がたくさん出てくるけれど、女子会女子会言ってるおばちゃんは出てきません。いわゆるナーナー仕事は一切なし。学芸会じゃないですから。

体力的精神的な厳しさのために大量の人が辞めていくそうで、「自分のやりかたを見つけることが大切」と字幕が出るシーンがあった。でも本当は「’Vogueのための’自分のやりかた」なのね。そういうところを誤摩化すのが日本的だと思った。そこの違いには雲泥の差があるのに、やんわり表現を選択するなんて残念。

オートクチュールでは実生活には向かない服が多いけど、ファッション誌、しかもアナ・ウィンターがそういった服の信者でないことには驚いた。載せる服を選ぶ時に何度も「Wearable, wearable」。人間が実生活で着られるもの、動けるものに執着していた。あと、1人のセクション・ディレクターだかエディターだかの人に言う言葉。「あなたは、ひとつの面からしか物を見られない。提案するルックはみんな同じ。モデルもあなたと同じストレートヘア」。そこなんだよね。ファッション誌の場合はこういう感じなのか、というのを観られておもしろかった。

撮影に長けたディレクターの「現代では、何でもくっきりシャープな画が好まれる」という言葉には同感。だけど、彼女はちゃんとソフトなページも作ったね。私にとっては、ハリウッド映画みたいに場面を丸ごと作ってしまえるところが感激だった。逆に、カバーに起用されたシエナ・ミラーはトレードマークであるボサボサ髪のことを「ひどい状態」「艶がない」とスタッフ総出で猛批判されてて笑えた。結果はウィッグを使用。そうなんだよね。彼女のファッションや見た目は好きだけど、なぜだか手抜きのオバカな有名人にしか見えなかった。周りがピカピカしてるからだと思う。そうそう、カバーにセレブを使い始めたのも、アナだったそうです。

服のラックがそこら中に置かれてる廊下は消防法違反だよなと、思うことが数回。もっと変だったのは、使用されている楽曲だった。特に、シエナが打ち合わせに登場するシーンで派手にかかってるRatatatの’Nostrand’と、エンドクレジット前までのアナの語りのシーンで流れた同じくRatatatの’Swisha’。その度にあのブルックリンの小汚い2人(特にマイク)の姿が頭をよぎるんです。アルバム’LP3’内での順番も続いてるし、なんだか適当だわ。他にもOf MontrealとかVHS or Detaとか最高にミスマッチなセレクションの音楽が入る度に驚いた。そこまでお金が回らなかったんだろうね。「いいや。インディでも使っとけ」、または音楽監督そのものにお金をかけないで若手を使ったのかもね。

先日、一緒にグラミーを観たIちゃんが貸してくれました。普通にプロな現場を観たい時にぴったり。私は彼女のように、ミュージシャンの衣裳のブランドやコレクション、ラインをチラ見で特定することはできないけど、用は適材適所。何かに熱心であれば、その分野で同じことができるはずです。

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Today’s film ‘The September Issue’. I just wanted to see ‘very ordinary professional people’. This is it. Songs used in the film, mostly from indie bands like my favorite Ratatat didn’t fit at all. But that was okay. Because there were a lot of common matters for industry workers. I like a director’s word ‘You should find a way that works for you for Vogue’. Not just for you, for you as a part of Vogue. That’s the thing but lots of fake directors and editors can’t understand. I don’t need any sorority after graduation. You know what I mean.

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