Kylie Minogue ‘Kiss Me Once’


前作で思ってもみなかった来日公演を観られてしまったカイリー・ミノーグが、新作を出しました~!ジャケのレッドリップがかわいい。というか、カイリーは何をやってもかわいい。

何歳になっても基本はダンスでポップです。前作は、そんな彼女の中でもかなりアゲアゲで、今でも好きなアルバムです。新作にもブレはありません。だけど、もっと夜の匂いがします。1曲目の’Into The Blue’のPVのせいではありませんよ。PVを知る前に、続く’Million Miles’なんて、東京の夜ドライブにぴったりな疾走感!と思ったのです。

毎回すごいなと思うのは、彼女の制作チームには凡人がいなそうなことです。アルバム毎に違うテーマやトーンの元、クリエーターが集まってという感じでレコーディングをしているんでしょうけど、うまい具合にカイリー色に染め上げて、しかも捨て曲なしに仕上げるんですよ。あっという間に終わる1枚になっています。これは、彼女のアルバムを買うごとに思ってきたこと。こうやって書いている間に4曲目の’Sexy Love’まで進んでしまいまいた。声も衰えません。先日、モリッシーが昨年にLAで行ったライブをWOWOWで観たのですが、彼も声が衰えないなと。エンジニア様様だよ、と意地悪なことを言いたい気持ちもわかるのですが、初めて聴いたカイリーはうまかった。ライブに来ないという不遇な土地で育ったもので、生歌がうまいことを確認したのはファン歴20年を越えてからでした。長かったな~。

本作で面白いのは、’I Was Gonna Cancel’と’Sexy Love’の実験的な曲と、’Sexercize’と’Feel So Good’の実験的な曲という風に曲調に塊があるところ。それでも集中力が切られる感じはなく、自然にこのアルバムの本気パートと思われる’If Only’に入ることができます。このサビ良い!カイリーは、いつでも蜂蜜みたいに金色でトロリとしています。キラキラでもブリンブリンでもない。アルバムのこの辺りは、嫌というほど蜂蜜の魅力が感じられる時間帯です。極めつけは、’Kiss Me Once’でしょう。この曲だけ威光を放っています。カイリーにこんなこと言われたら、キュートすぎて悶え死ねますね。確実に。歌詞はベタなんですが、メロディとのバランスが良い。’Love at First Sight’と並んだ好きな恋歌になりました。

次の’Beautiful’は、いまだセクシーガイの名をキープしているエンリケ・イグレシアスとのコラボです。聴いていても気づきません。そんなささやき声。これ、シングルになるのでしょうか?もしミュージックビデオが作られたら、無駄にセクシーに絡んでいそうだなと妄想しております。エンリケも歳を取ってもいい男ですよね~。

毎日、何度聴いてもまったく飽きません。それどころか、寝る時にも聴いています。そうするとスウィートな夢を見られますよ、本当に。ツアーには一応アジアも入っているみたいだし、また観られちゃったりするのかな~と私は夢を見ております。

これ欲しい!メイキングと撮影舞台裏映像のDVD付き! ⇒キス・ミー・ワンス(スペシャル・エディション)(CD+DVD) 2,742yen
普通のはこれ ⇒Kiss Me Once 1,483yen

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My recent favorite album is from Kylie Minogue! What a beautiful artwork, isn’t it? I hope she will come back to Japan for this album!

In My Head Radio: Volume 14 Frightened Rabbit ‘The Winter of Mixed Drinks’

February 2014

2010年3月リリースと古いアルバムで申し訳ないのですが、記しておかないと新作をメモできない気がして仕方がありません。スコットランドのバンド、フライトゥンド・ラビットのサードアルバムです。このバンドも例にもれず、ルックスがかわいくないからか、日本ではさっぱり…な印象。面見る前に音を聴けですよ、本当に。パフォーマンスの評判も良いので、とても残念です。「ザ ウィンター オブ ミックスド ドリンク」というタイトルから、なんとなく冬や雪景色を頭に浮かべながら聴いていたのですが、蕾が膨らみつつある今のような季節に聴くのがなかなか合うことに気づきました。何よりも、最近珍しい捨て曲なし!いつ、何度聞いても飽きることがありません。

超秀作なのにもったいないので、1曲目から順に良いビデオを集めてみました。

Things

子供の頃に読んだ童話か何かに、春の訪れを告げるラッパのようなものを描いた話があった気がします。その音によって、冬眠していた動物達が目を覚まし、巣穴から出てくるみたいなシーン。この曲にはそのラッパのような雰囲気があると私は思います。

Swim until You Can’t See Land

ボーカルは、スコットランド出身のスコットさんという方。声質も表現力もすごく優れているなと思います。スノウ・パトロールのライトボディと同じく吟遊詩人タイプ。彼が都会的な方向にアップグレードしたのに比べて、スコットさんは牧歌的。緑が似合います。

The Loneliness and The Scream

少ししわがれ、少し舌足らずなボーカルが時たま裏返る、ちょっとキーが高めの曲。語れるボーカルで淡々と始まり、長ーい間奏で盛り上げる。コーラスが入ってからの高揚感が素晴らしく、ライブとかで私もその一部になりたいと思いました。

The Wrestle

ウェブスター
私の中で一番オススメの曲。イントロからアップテンポの明るいメロディに、単純にワクワクしてしまいます。ですが、歌詞は14世紀のイングランドの詩人、ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』のように美しく流れるよう。ただし、聴いて思い浮かべるのは、野生の熊やティーンのヴァンパイアドラマの格闘シーンです。そんなでも不思議とどんどん好きになります。

Skip The Youth

シューゲイズバンドがよくやるタイプの無駄に長い(失礼)イントロで始まるものの、それをスパッと止めて、ボーカルとギターだけのシンプル編成へ。そして、ゴージャスなコーラスをプラスという憎々しい自在っぷり。コーラス隊もかなり味がありますよね。間奏でも見せる男といえば、ジョン・メイヤー。バンドはうれしくないかもしれませんが、彼に匹敵するものがあると思います。

Nothing Like You

いきなり、ストレートなポップス。リバティーンズでも始まったのかと思いました。こういう明るさというか、とぼけた感じをもっているのもまた、このバンドの魅力なんだなと思います。

Man/Bag of Sand

gSwim Until You Can’t See Landのアコースティック版をインターミッション的に入れています。なので画像はなし。風呂場録音的なザラついた感じがまた深い。だから「面見る前に音を聴け」なんですよ。

Footshooter

このアルバムで一番多く聴いた曲。アルバムの中ではトーンは暗め。その閉塞感と重厚感がくせになります。このアコースティックギター1本版だと、その感じがわからないな…。無駄にカメラだけは台数あるのが意味不明。フルセットでこのシチュエーションならおもしろそうだけど。ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムとごく普通の編成であるにも関わらず、どのバンドにも期待すらしない最終形をさらっと見せる方々です。

Not Miserable

静かな曲です。だけど、アクセントで入っているギター音を筆頭に「アッ、アアー」のコーラスとか、「こんなの聞いたことがない」という要素が詰まっています。キーボードだろうけど、ピアノの音もよく響いています。淡々と、でもドラマティック。

Living in Colour

そして、急にアップテンポへ。UKのバンドが得意な讃歌テイストです。ライブのラストに演奏されそうな締めくくり感もあり、始まり感もある。映画のエンドロールに使うのもいいかもしれません。こんな風にいろいろと想像させるというだけでも、最近あまりないバンド。クラフトマン魂を感じます。

Yes, I Would

本編最後おの曲。人力による音のレイヤーが丁寧に重なっている様が美しい曲。このバンドは教会で演奏しても、眉をひそめられることはないでしょう。語られる感じ、物語が進むような感覚が好きです。

Fun Stuff (bonus track)

Learned Your Name (bonus track)

ここからはボーナストラックだなんて、タイトルの後ろにある()をチェックしなければ気づかない。そんなクオリティです。どうやら、ファンによくカバーされる曲のようです。

スコットランドは日本のように自然が豊かなんだろうなと思います。このアルバムからは太陽の日差しや土、雨、木々、そうしたものの香りが漂ってくる。これは私の“これを持って旅に出たい”アルバムの2枚目。早く旅に出たいな~と毎日思っています。

廃盤が近いかも?
ボーナスなしの洋盤 Winter of Mixed Drinks (¥1,836)
ボーナスありの日本盤 The Winter of Mixed Drinks (¥2,126)
私はたぶん下を買ったようですが、歌詞カード等は入っていないっぽいです。

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This is one of my favorite albums! So I made a video list for all songs in the album.

Tom Odell ‘Long Way Down’


このアルバムを持って旅に出たい!というものが2枚あります。トム・オデールのデビューアルバム『ロング・ウェイ・ダウン』はその内の一つ。昨年のベストに入れたのにメモっていませんでした。

アルバムは、開始こそ朗らかです。彼自身が奏でるピアノと、その優男風のルックスからは想像し難い力強く太めの声。そこに、控えめなバックとコーラスが乗った馴染みやすい楽曲。牧歌的という言葉がぴったりだと思いました。このまま弾き語り系で1枚終わっても、それはそれで良いアルバムでしょう。だけど、2曲目の’Hold Me’の出だしでカウントダウンを叫ぶトムの生声を聞くと、「この若者、もしかしてやるかも」と思います。ここで破天荒ぶりがチラ見えするのです。続く、’Another Love’は、ピアノとボーカルのみの切ない美メロ曲。素敵だな〜と、ぼんやり迎えた1分33秒でぶっ飛びました。『ムンクの叫び』を音にしたらこうなるのでは?という雰囲気の、不安定にうねるコーラスの乱入が、静かな曲をいきなり盛り上げるのです。これまでの控えめバックコーラスではなく、トムのボーカルと対峙している感じ。そこからトムは、感情が赴くままに歌って鍵盤を叩く。既にライブを観ている今となっては、ここで必ずベン・フォールズさながらに体を揺らし、バックバンドを煽る、情熱的なステージ上のトムを思い出してしまいます。バックバンドは、ハードロックを通ってきただろうオジサマ方。当然、楽しそうに付いていっていました。

よくラジオで流れていた’I Know’で長閑な曲に戻りますが、もう牧歌的なイケメンとは思わなくなりました。牧歌的なジェイムス・ブレイクです。明朗だったり、内向的に感じられる曲を、自らの渋い声とコーラスを巧みに使って料理するのです。実験的とすら感じます。どうしたら、こういうミュージシャンが育つのでしょうか?プロフィールを見たところ、ご両親は小学校教諭の母とパイロットの父。幼い頃からピアノを習い、曲を書いていたとはいえ、後はオープンマイクで歌ってパフォーマンスを磨いて、レーベル契約ゲットしたそう。で、現在たったの23歳です。それで、重々しいドラマを観ているような’Can’t Pretend’をどうやって書くのでしょうか? しかも、そんな曲の後に明るい’Till I Lost’をポロッと投入するのです。この曲はフジで一番心に残っている曲。伸びのあるサビが、屋根付きのレッドマーキーではもったいないくらい響き渡りました。’Sirens’も好きです。シンガーソングライターである彼の場合、頼りになるのはピアノと歌声。普通にハンサムなのに声はいい感じにかすれていて、時にKings of Leonのようなひねくれた雰囲気を醸し出します。素晴らしい表現力です。

このアルバムを殿堂に上げようと思った最大の要素は、本編最後の’Heal’でした。繰り返し,繰り返し聴いてしまいます。本人は、クロージングにはシンプルな曲をとくらいにしか考えていなかったかもしれません。この曲は、先にも挙げたジェイムス・ブレイクのデビューアルバムに収録されている’I Never Learnt to Share’に匹敵するミニマム曲。「私の心と痛みを取り去って 空のボトルが雨を吸い込むように そして癒える」。歌詞はこれに派生するものを数行繰り返すだけ。とても美しい曲。旅の話になると「mewisdeadさんはパリを闊歩してそうですよね」とよく言われるのですが、全然違います。私は今、こんな旅をしたいのです。

(余談)
CDやっすい!個人的に、それほどたくさんCDを買わない方はAmazonが最安値かと思います。
Long Way Down ¥727
Long Way Down ¥1452

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2013′s favorite album. Also, this is the one that I want to bring on my travel. Especially, ‘Heal’ will fit perfectly with my current mood. I was enough lucky that I could see him at last year’s Fuji Rock. So next time I hope to go to his solo show here is Tokyo:)

John Mayer ‘Paradise Valley’


己に対する反省をきっかけに、前作『Born and Raised』で母国礼参の旅に出掛けたジョン・メイヤー様。まだ、旅の途中でいらっしゃるようです。早く立ち直れ、ポップスとブルースに戻れと思い続けること5年以上でしょうか? iTunesでは未だRockにカテゴライズされていますが、きっとアルバム1枚を聴いたことがない方の仕業でしょう。ほとんどがカントリーです。ロックテイストも取り入れたディクシー・チックスや、今や普通のポップシンガーなテイラー・スウィフトと違って、教科書に載っているようなカントリー。私はすごく苦手です。

静か、暗い、カントリー。3拍子が見事なコンビネーションでアルバム内に存在しています。長年のファンであれば’Wildfire’で「やっぱり、その路線で来たか」と思うでしょう。落胆に近い気持ちです。’Dear Marie’の「おーお おーお」は一緒に歌ってしまいそうですが、カントリーです。’Watin’ On The Day’は嫌いじゃない。だけど暗い。暗い時間を長く過ごしすぎて、それが彼にとって普通になってしまったのかもしれません。『Born and Raised』以前のアルバムにあった皮肉や挑戦心、冒険を求めた旅心みたいな雰囲気はなくなっています。そんなことをするより、流れに身を任せよう。そんな新しいライフスタイルを楽しんでいるように思います。

一番のお気に入りは’Paper Doll’。丁寧なメロディラインと歌声がヤミツキになりました。というより、数少ない共感できる曲=カントリー以外なのかもしれません。私でも弾ける!と言いたくなるのですが、私にはたったこれだけの音で人を釘付けにはできません。この人は度々ギャグで超絶技巧やレジェンド達のマネをして客を沸かせますが、楽曲自体はとてもシンプル。それで人は魅入ってしまうんだからすごいなといつも思います。
反対に期待を裏切らないダメさも露呈してくれました。学習しない男です。ケイティ・ペリーとの曲、’Who We Love’。ガールフレンドと一緒の曲を作って、大恥をかいたのに懲りずにまたやりました。「今度こそは特別と思ってるからじゃない?」と友は言いましたが、彼って比較的いつでもそんな人。凡人社会での勘が働かないのだと思います。

‘On the Way Home’での終わりは気に入りました。例にもれずこれもカントリーソングですが、遊び心に溢れたメロディベースが良い。間奏で別世界に連れて行ってもらえます。涼しい空気で満ちていて、アメリカをドライブしたくなります。そろそろ本当にしたいです。

とにかく、春のライブが楽しみで仕方ありません。絶賛できないアルバムを出されても、ライブでは悔しいくらいにカントリーをジョン・メイヤーに昇華するのがメイヤー様。アメリカのライブ会場みたいに、自分版のジャケ写を作れるハリボテを持って来て欲しいです。休暇死守!

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John Mayer’s new album is not my kind. It’s almost a country album. His dark days was too long and that changed him, I presume. Anyway, I got a chance to see him in spring. Just can’t wait!

White Lies ‘Big TV’


もうベストは書いてしまったけど、メモしておくべきアルバムは出てきております。というか、本当はいまいちに感じた物も全部メモしたいのです。

先行シングル『There Goes Our Love Again』や『First Time Caller』から聞こえるホワイトライズらしい幅広なメロディにニヤリとして、彼らの曲は“ダイナミック”と言うより“ワイド”なのよねとわかった風の独り言を言っております。やっぱり心地良い。新しい一面も見えました。『Getting Even』。このアルバムの中で一番好きな曲です。多くの楽曲と違って、曲調は明るめ。ただ、やや調子はずれな歌声が切ないのです。繰り返し繰り返し聴いています。ファーストシングルより前に、フリーダウンロードで提供されていたそうですね。全然気づかなかった。当時どれだけ時間がなかったのかと…。その前に、日本で見捨てられそうな彼らみたいなバンドこそ、自分で追わないといけないようです。ふー。

これまでとは違って、アートワークがおしゃれになりました。『バージン・スーサイズ』のサントラ by Airみたい。8月に発売されたホワイトライズの3枚目です。激務時期だったためか、パッケージを開けていませんでした。すみません…。デビューした頃から、独特のおじさんみたいな声とSFっぽい世界観が好きなバンドです。早い時期にライブを観られたことも、好きでい続けている理由のひとつかもしれません。

かなり音沙汰なしだったような感じがしたので、準備運動にと海外のインタビューをいくつか探して読みました。その中に「最近、サードアルバムまでリリースするバンドは多くない」で始まる記事を見つけて、ドキッとしました。確かにそう。みんな、あっという間に止めてしまう。2009年にデビューアルバム『Too Loose My Life』を出した時、かなり若かった彼らもずいぶんおじさんっぽくなってきています。白人はこれくらいの年齢付近での劣化が多いので要注意。特にハリーの髪型を筆頭に、他メンバーも雰囲気が変わっていて一瞬誰だかわからないような…。話がそれました。

インタビューには「1つの物語をテーマにしたアルバムなの?」という質問もありました。これにも納得。ホワイトライズの曲には、映画のナレーションのような雰囲気がある。シンセサイザーが良い隙を作るからでしょう。ついでに、ジョニー・デップとクリストファー・ウォーケンの『スリーピー・ホロー』殺戮なし版みたいな暗い荒野の景色も頭に浮かびます。音量の強弱の表現も秀でています。オーケストラで全部の音がふわっと消える瞬間がありますよね。指揮者が空気をつまむような仕草をする時。ロックバンドなのに、彼らにはあんな表現があるのです。気がついたら最後。独特の雰囲気に病みつきになってしまいます。

Kings of Leonとアメリカツアーをしていたそうです。いいなぁ、お得な1本。

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I’ve been a fan of the British band White Lies for a long time. They are so unique from our time! So, here is the 3rd album. The artwork is sophisticated and I see an unexpected side of the band in a song. Actually it is my farovirte song from the ablum. ‘Getting Even’, this is it. I just can’t stop listening. I hope they will come back soon and play at a bigger venue in Japan!